『奴隷の哲学者エピクテトス人生の授業』荻野弘之著(ダイヤモンド社)を読みました
かおり&ゆかりさんたちが挿入漫画を描いているそうです。
この本には『この生きづらい世の中で「よく生きる」ために」という副題が付いています。
エピクテトスは、ローマ時代のストア哲学を代表する哲学者とのことで、ストア哲学は「禁欲主義」的な教えのようです。
漫画も付いていて読みやすい本であるにもかかわらず、なかなか考えさせられる内容です。
例えば、「我々次第であるもの」(自分の裁量の範囲内にあるもの)と「我々次第でないもの」(自分ではどうしようもないもの)を分けて、「我々次第でないもの」に欲望を向けることは間違っていると言います。何か困難な事態に陥ったとき、自分ではどうしようもないことにこだわったり、他人をうらやんだりして、自分が苦しむのは間違いなく愚かだと言うんですね。悩みすぎて体を壊してしまうこともあります。そういうときは、自分1人で悩まないで、事柄をまず整理するという意味で、弁護士にご相談されることをおすすめします。「これからできること」と「どうしようもないこと」を切り分けて弁護士が説明してくれますから、これから何とかできることに意識を集中できるので、良い結果を得られる可能性が高まります。
また、「人を不安にするものは、事柄それ自体ではなく、その事柄に関する考え方である」とあり、事実そのものと、それの評価とを切り分けるべきだと言っています。他人の行動に対する評価も同じで、勝手な思い込みで相手を恨んだり蔑んだりするのではなく、事実そのものをとらえるべきであるとも言っています。自分がトラブルに巻き込まれた際に、この事実と評価の切り分けをご自分で実行するのはなかなか難しいと思います。弁護士は、事件を取り扱う中でこのような事実と評価の切り分けを日々行っていますから、これについても、事実や証拠に基づいて、事実とその評価を区別して整理して弁護士が説明してくれますから、頭が整理されて、気持ちも落ち着いて、トラブル解決に前向きに立ち向かうことができるようになるのです。
インスタグラムなどSNSを見ていると、キラキラした(ように見える)人生、資産、収入など、他人をうらやましく思うことがあるかも知れません。でも、弁護士の仕事をしていると、幸福や不幸には、貧富は関係なく、誰にでも悩みや苦しみがあることが分かります。キラキラした人生よりも、平和で心穏やかな人生の方がはるかに価値があるのではないかと思います。
ですから、もし万一トラブルがあったり、困ったことがあったら、その負担から早く抜け出すために弁護士にご相談されるのが良いでしょう。弁護士に相談するだけでも、事実関係や法律関係が整理されて、悩みがずいぶん軽くなりますし、事件の解決を弁護士に依頼すれば、心の負担はずっと軽くなります。
皆様の幸せな人生の一助となれることを祈念して、本年の最後の日誌とさせていただきます。
来年もよろしくお願いします。
大槻経営法律事務所
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