フットワークが軽いということ

このホームページの冒頭の事務所の特徴として「フットワークが軽くて丁寧です」ということを書いています。

これは、単なる標語、キャッチコピーだけで実際は違うのではないか、と思っている方がいらっしゃるかも知れないので、最近のことで説明します。

金曜日に関西の大学時代の友人から相談があり、スマホのメッセージで資料の画像が送られてきました。翌週の月曜日に工事をする、という相手方からの手紙です。事案の内容は詳しく書けませんが、その工事を断行されるとこの依頼者は権利が侵害されて困ってしまうのです。ですから、その工事は止めないといけません。

ご相談があったときには、事案の内容を資料を見せていただきながら検討して、そもそも受任するか否かを判断させていただくことが必要で、さすがにそんなに迅速には判断できないことが多いです。しかし、その友人は昔からのとても親しい友人でしたので、だいたいの人柄も分かっており、信頼できる人だったのです。関西の事件ですから、「関西の弁護士を紹介してもらってもありがたい。」ということだったのですが、「今から知り合いの弁護士を探していたら間に合わない。」と判断せざるを得ませんでした。そこで、工事を止めるには私が受任するしかないと即決しました。

すぐに工事を止めることを要請する文書を相手方に送付すると共に、相手方の担当者にも電話で工事を止めるように要請しました。これが依頼のあった日です。

その2日後の日曜日に片道2時間半ほどかけて現場に行きました。現場に行かないと事実関係が正確に理解できないことが多いのです。そのため、日曜日に現場に駆けつけたのです。現場を見たうえで、この事案では必要な様々な調査をしました。遠方なのでなかなか行けませんから、せっかく出張したらできることはできるだけやるという癖がついているので、事実調査をしっかりやりました。後は、相手方の言い分とその正当性を裏付ける根拠が分からないので、相手方にそれを教えてもらうだけとなりました。その後、相手方がなぜか言い分とその正当性を裏付ける根拠を回答してくれないので難航しています。訴訟手続をするしかないかなと思っています。

このように、私が「フットワークが軽くて丁寧です」というのは、別に宣伝文句で書いているだけではなくて、現実に実行していることを書いています。私は弁護士としては現場によく行く方だと思います。現場を見ないと分からないことが多いですし、現場を見て初めて分かることも多いと思っています。最近は、ストリートビューでパソコンの画面上で現地の様子が(過去の画像ですが)分かりますが、やはり現時点の正確な状況を確認するには、現実に現場に行かないと分からないですね。「現実」「現場」の確認はとても重要だと思います。

私は、最初に勤めたとても忙しい法律事務所で上記のような癖を身に付けました。忙しいから現場に行けない、というのは「ちょっと違うなぁ。」と思っています。

顧問先や依頼者など信頼関係がある場合には、緊急事態に迅速に対応します。私だけでなく、急ぎの案件は急いでやらないと取り返しがつかないというのが分かっている弁護士は多いと思います。大切なのは、日々実践しているかどうかだと思います。

カッコいいことを書きましたが、休みを取っているときは対応できないことがありますので、ご了承ください。長期間継続して性能を発揮するには自己管理も必要ですので、その点はお医者さんも同じだと思います。よろしくお願いします。

弁護士に相談されるのは、まず、早めであれば対応の方法も選択肢がありますし準備もできますので、早めにご相談されるのが望ましいです。

ただ、相談するタイミングが遅れても、「遅すぎた。」「もうダメだ。」とあきらめたり悩んだりする必要はなく、いつの段階でも遅すぎるということはないと思われますので、相談が遅れたことを後悔している暇があったらとにかく今すぐに弁護士に相談してください。迅速に対応すれば何とかなることもあり得ますから。

大槻経営法律事務所

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