信用を重視しています

私は、信用は最も大切なものの一つだと思って日々積み重ねています。

弁護士の仕事は、最終的には裁判での解決ですが、それ以前のとても難しい交渉もよくありますし、交渉だけで解決することもあります。そのときに大切なのは「信用」「信頼」だと思います。

交渉は「決裂すれば、訴訟で白黒つければいいし、訴訟上でもまだ和解もある。交渉が決裂したら裁判しますよ」という「次の手段で、しかも(どんな結論になるにせよ)最終解決できる手段」がなければ、グダグダな交渉になってしまいます。ですから、交渉を効果的に行うには、そういう背後を唯一持っている「弁護士」が最も最適なのです。

とはいえ、南米の国など弁護士が全然信用できないとか、弁護士にだまされた、というような国ですと、弁護士と交渉する相手も警戒して、交渉がうまく進まないということがよくあるそうです。つまり、交渉により問題が解決するには、「信用」「信頼」がその大前提として重要だと思うのです。

皆さんも、投資を勧誘されたり、新しい取引先から申し込まれたりしたときに、最初は警戒して少しだけの投資や取引をするのが普通だと思います。その上で、何度か取引して、「この取引相手は大丈夫」と判断できてから、徐々に大きな取引をするようになると思います。信用できない先に騙されて大損害を出したら大変ですから、それが当然だと思います。(ただ、詐欺の常套手段で、最初の1回、2回とお試し投資や取引で、ちゃんと元利金をしっかり返還して相手を信用させて、急激に大きな投資や取引をさせて、踏み倒して逃げる、という手が世の中にはとても多いです。まさに典型的な手口です。相手を信用するには、もっと長い期間をかけましょう。)

情報の非対称性という考えでは、情報格差により情報がない側の不利益がよく言われますが、それだけでなく、正確な情報を持っていない側は警戒してリスクを考えて例えば本来は100万円の価値のある中古車でも、メーター不正戻しなどのリスクを考えて50万円でしか買わない、というように情報を持っている側にとっても情報を開示しないこと、信頼されていないことが不利益になるという側面もあります。

「信用」や「信頼」があれば、リスク対応によるコスト・不利益が低減・回避されることになり、効率が良くなります。

交渉でも同じです。例え相手方が反社会的勢力だとしても、「この弁護士は、なかなかイエスと言わないが、いったんイエスと言えばそれをちゃんと約束通り履行する」という信頼があれば、納得して合意が成立して、手を打つことができます。これがもし、信用がなければ、双方が疑心暗鬼のまま永遠に問題は解決できないでしょう。ですから、私も、交渉では安易にイエスは言えませんが、もし合意したら、相手方がこちらを騙していたり合意通り履行しないというようなことがない限りは、合意通りこちらも必ず実行します。そうしなければ、問題は解決できません。

ですから、弁護士にとって、「信用」「信頼」というのは、根本的でとても重要な要素の一つだと思っているのです。

大槻経営法律事務所

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