批判を受け付けなくなったら終わりだと思っています
私は愛知大学で会社法を教えているのですが、その授業の中で雑談をすることがあります。
もちろん全く関係のない雑談ではなくて、その講義の中のテーマに関係する話のときです。
取締役のところで、私がする話のひとつに、先輩の経営コンサルタントから教えてもらったアドバイスがあります。
そのコンサルタントの方は社会保険労務士の資格と中小企業診断士の資格をお持ちで、年齢が高くなっても積極的に活動していました。その方が、あるとき私に、「大槻さん、いいコツを教えてあげますね。高齢の経営者にコンサルをするときは、『社長!さすがですね!』って全肯定から入って、それから経営アドバイスすると気に入られますよ。否定したらダメです。これが社長に気に入られるコツなんですよ。若い経営者の場合は厳しいアドバイスをする方が気に入られますね。」
年を取ると、精神が批判に耐えられなくなるそうです。そういう研究もあります。高齢者は、自分の人生を肯定したくなるそうなんですね。「いい人生だった。」と。
その話を聞いて、もちろん営業に活用しようと思ったのですが、さらに私が思ったのは、「自分は、年を取っても批判を素直に聞けるようにしよう。批判を受け付けなくなったらおしまいだ。」ということです。
ワンマンで会社を大きくした経営者は、確かにとても優れた経営者なのですが、高齢になると周りにイエスマンばかり集めてしまって、その結果、イエスマンたちが会社の中長期的な競争力を高めるために必要な施策よりも、社長(または会長)である高齢の経営者の気に入るような目の前の数値だけを良くする操作をする(資産を処分したり、会計上の数値だけをを良くする操作をするなど)で経営者のご機嫌を取って会社をダメにしていく、と言うパターンはとてもよく見ます。昔から、こういうことは繰り返されています。
経営者は、自分がもし批判に耐えられなくなってしまったと感じたら、それを是正するか、是正できないなら引退するのが良いのではないでしょうか。
私も、「他人の批判を受け付けなくなったらおしまいだ」と思って業務をしています。
社外取締役も、きちんとそういうことを言える人を採用すべきではないでしょうか。もちろん反対ばかりしていたり責任逃ればかり言っている他人事のような人はダメだと思いますが。私が社外取締役にもし就任するような機会があればきちんと意見を言う本来の役目を果たしたいと思います。なかなかそんな機会はないですが。経営者を賞賛するだけの人ではダメですよね。その辺りは、『GE帝国盛衰史』を読むと分かりやすいと思います。ノンフィクションの名著だと思います。
私にはこういうスローガンはいくつかあって、「本を買うお金を惜しむようになったらおしまいだ」(業務のための新たな知識を入れることをしなくなったら、もうダメですよね。一生学び続けないと続けられない仕事ですから)とか、「歩くときは速く歩くようにする。歩くのが遅い人は仕事ができない」(これは若い頃に知り合いの事務員さんから言われたことです。仕事ができる人は歩くのが速いそうです。本当かどうかよく分からないのですが、何となく若い頃に言われて以来気をつけています。実際はどうなんでしょうね)など、です。
質の高い仕事をしようという志のある人は、いろいろスローガンのようなものを持っているじゃないでしょうか。弁護士はそういう志を持った人が多いと思います。
ぜひ弁護士にご相談ください。


