不動産の時効取得
昭和の初期のころに先祖が購入した土地なのに、登記の名義変更がなされないまま何年も経過した、という事例がたまにあります。
売買契約書が残っていればいいのですが、それが残っていなくて、でもその土地はかつて購入した土地だと聞いていて固定資産税も代々支払ってきたというようなケースです。
こんなときは「不動産の時効取得」という方法で、所有権の移転登記を請求する訴訟を提起して、判決によって移転登記をします。
裁判では、登記名義人の相続人を相手に訴訟を提起するのですが、長年経過していると、その相続人を探し出すのが大変で、数次相続が起きていて相続人が数十人になってしまっている事例も珍しくありません。
弁護士は、このような事件の依頼を受けますと、こつこつと相続人を調査して、もれがないように調べ出します。
その上で、手続を進めます。
なお、不動産の時効取得については、税金も関わってくるので、税理士さんに相談することもお勧めしています。お知り合いの税理士さんがおられない場合には、紹介もしています。
最近の事例では、登記名義人の相続人がブラジルに移民していて、ブラジルにいる子孫に対して訴訟をして、解決したことがあります。このような事例は、とても専門的な知識と調査と手続が必要ですので、このような事例を解決できる弁護士は少ないと思います。実は、熱意を持って調査した結果かも知れませんが、とても運が良かった面もあって、解決できたと思っています。とても大変でした。
相当困難な事件が解決できるとうれしいものです。
これからも依頼者のために困難事件も解決できるよう努力したいと思います。